横浜シルク法律事務所

弁護士ウォッチング

なぜ弁護するの

「モコ 今日は事務所に行くよ。」
と、ご主人様が声をかけてくれました。
「うれしいなあ。うれしいなあ。」
行きたかったけれど、ご主人様が忙しくて、僕をなかなか事務所につれていってくれませんでした。
僕は、大河内家の一員で、名前は、大河内モコです。誕生日が4月11日で、今年で六才になるコーギー犬です。

うれしいなあ。うれしいなあ。

ドアを入るなり、
「モコちゃん。会いたかったのよ」
と、僕を歓迎してくれました。新しくこの事務所の一員になったお姉さんです。
「クウィーン、クウィーン。僕 聞いてたよ。聞いてたよ。僕も会いたかったよ。会いたかったよ。」

新しくきた弁護士の先生もいて、事務所の中に動きがあります。僕は、仕事の邪魔をしないように、静かに静かにしています。
そのうちに みんなの話し声が 聞こえてきました。

またメールで『Aさんの弁護をなぜするんですか?』と書いてきたよ。「またメールで『Aさんの弁護をなぜするんですか?』と書いてきたよ。」
「理屈では、弁護士の仕事の必要性はわかっても、気持ちとして、どうして、と思うんでしょうね。」
「悪いことをした人は、裁判官と検事が正しく判断するから、弁護士は必要ありませんということになりますね。」

「民事の弁護と違って、刑事の弁護は、人の命に関わる場合が多いから、できるだけのことをしなければ、と思うけれど。」
「被告であるAさんの思いは、きちんと受け止めてあげなければ。その上で、初めて、Aさんは、犯した罪の恐ろしさ、家族の方たちへの謝罪が、生まれてくるのでは。」
「そこが難しいですね。言葉では言えても、心から自分を見つめるということは。」

生まれた赤ちゃんは、みんな同じなのに。「生まれた赤ちゃんは、みんな同じなのに。幼稚園児や小学生も、少しの違いはあっても、同じなのに。どこから、分かれていくのか。あるいは、環境によって、性格によって、罪を犯してしまうのか。」
「同じ環境だったら、自分だったらと考えていくと、何も確かなことは分からなくなりますね。」
「一つ言えることは、どんな人でも、きちんと聞いてあげることが、その人のためにも、被害者のためにも、社会のためにも、必要だということかな」

「とても大変な仕事で、刑事事件に関わるよりも、民事事件のほうが、気持ち的には楽になりますね。民事のほうが、お金になりますし」
「裁判員制度になれば、余計、刑事事件の弁護士の仕事は大変ですね。あるときは、今回のように、社会の中で、反対の圧力をかけてくる人もいますし。」

僕はみんなの話を聞きながら、よく分からないけれどご主人様の仕事は大変そうだなあと思いました。
僕も、弁護士が必要だと少しはわかるよ。僕の友だちのアイちゃんのことを 弁護してあげて欲しいよ。

聞いて聞いて僕の友だちのアイちゃんがね聞いて 聞いて
僕の友だちの アイちゃんがね
公園で リリイちゃんをかんだんだよ
けがをさせたんだよ
大変だ 大変だ
アイちゃんは 悪い子だ 悪い子だと 言ってるよ

でも でも 僕 分かるよ
アイちゃんは 怖がり屋なんだよ
強そうに見えるけれど
怖がり屋なんだよ
僕も 怖がり屋だけどね

リリイちゃんは 僕も 怖いよ
リリイちゃんのほうから 寄ってきて
すまして寄ってきて
僕は 強いぞと言ってきて
僕に 弱い子 弱い子 と言うんだよ
怖がりのアイちゃんは 悪くないよ 悪くないよ
アイちゃんのことも 聞いてね 聞いてね

(横浜シルク法律事務所 高橋事務員記)

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