僕はモコという名前の犬です。大河内家の一員で、今年の四月で五才になります。
僕のことはおいおい紹介するとして、忙しく動き回る弁護士という職業をウォッチングしてみたくなりました。
お日様が出ているよ 散歩をしたくならないの
あ いい匂いがするよ 確かめたくならないの
動いた後は 眠くなるよ 眠くならないの
不思議だ
不思議だ
どうして そんなに 忙しそうなの
ご主人様と一緒に 事務所に行きました。電車の中でも 書類を広げ 僕や周りの人達は 目に入らない様子で 読んでいます。以前に ご主人様が「乗り物は 動く書斎だ。」と言っていたのを 思い出しました。「なるほど 乗り物とは 一人で考えたりする場所なのだ」と思いました。でも、電車の中の人をみると おもしろいよ。きれいな女の人が いるし、気持ちよさそうに 寝ている人がいるし、楽しそうな話をしている人がいるし。でも、目にはいらないようです。
電車から降り、重いかばんを持って どんどん歩いていきます。自動車が来ていないと 信号も無視して渡っていきます。どうしてそんなに急ぐのか不思議です。あの石や木の匂いをかぎたいのに、あの道に 寄り道したいのに、あの犬と 話してみたいのに、ただただ 真っ直ぐ歩くだけです。でも、ご主人様の頭の中はフル回転しているようです。「歩いているときに、いろいろなアイディアや 考えが浮かぶんだ。体を適度に動かすことにより、脳も活性化するから」と言っていたのを 思い出しました。
最高裁判所にいっている事件のことを 考えているのかな。
最高裁判所から地裁にもどった事件のことを 考えているのかな。
被害者支援のあり方について 考えているのかな。
医療事故の医師との話の内容について 考えているのかな。
僕のことは 僕のことは
きっと 考えていないよね
どの事件も道のりは長く 13年 7年とかかっているとか。依頼者が 刑務所に入っていたら お金も払えないから きっともらっていないのではないかな。僕が心配しても 仕方ないことだけど。
事務所に着いたら、「電話がありました」ということで、直ぐ電話をしているし、パソコンのメールをチェックしているし、手紙を読んでいるし。「あ 時間になる」と、急いで裁判所に出かけていった。僕は 裁判所には行かれないので 少し休憩です。僕にとっては 目が回りそうな2時間でした。まだ、お昼にもなっていないのに、不思議です。ご主人様の頭の中は どうなっているのか 見てみたくなります。僕は 目が重くなり 眠いです。
ウトウトしている間 電話の音と 話し声が遠くに聞こえました。でも ご主人様の声は聞こえないので僕は ウトウトです。今度 裁判所の様子を ご主人様に 聞いてみようと思います。
あ ご主人様の足音が 聞こえてきました。急いで歩く足音です。もう少しで 僕のところに 来てくれるかな。あ 来た。来た。うれしいな。「モコ ただいま」と、頭をなでてくれました。僕は なでられるのが 大好きです。
でも すぐに 書類を広げ 事務員さんにファックスや手紙の郵送など 頼んでいました。「あ 誰かが近づいてくる音がするよ。」次に、トントンと言う音と「お見えになりました」という声で、難しい話し声が 続きました。いろいろと 困ったことでもあるのかな。大変なんだなあ。僕は 静かに 待っていよう。
「モコ おやつだよ」という声で 事務所のおやつ時間の仲間入りです。みんな 楽しそうに話している。ずっと こうだといいのに 電話の音で 終わりです。僕には よくわからないけれど 書類と 電話と バタバタという感じです。少し ウトウトするとか 僕を いい子いい子するとか するといいのにな。事務員さんが 僕を散歩に連れて行ってくれました。僕は のんびりしているけれど、ご主人様は どうしているかな。
暗くなりやっと家に帰れそうです。夜の10時半頃かな。裁判所と検察庁の前を 通りました。夜でもう寝る時間なのに裁判所も検察庁もいくつもの窓から明かりが見えます。「あ 今日もまだ明かりがついているよ。モコ」裁判関係の仕事をする裁判官、検察官、弁護士とはみんな忙しいのだということが分かりました。なぜ、なぜ 忙しいの。どんな仕事なの。今度仕事の中を知りたいなあ。僕にできるかなあ。
忙しい一日でした。おやすみなさい。
(横浜シルク法律事務所 高橋事務員記)






