医療事故とは、医者個人を責めるのではなく、病院の体制を考え、同じような問題が二度と起こらないようにすることが大事です。専門職の宿命だと思います。
弁護士にも同じことがいえると思います。

病院にとっても問題点をはっきりさせて、今後の医療に役立てることができます。
医療ミスが怪我の悪化につながってしまった事件
猫に親指をかまれました。すぐ消毒をして安心していました。でも、二日ほどしてもズキズキと痛み熱も出たので、病院に行きました。
仕事は、中華のお店を出しており、餃子、ショウロンポウなどを作るために親指は大事な働きをします。
ところが、なかなか治らず、医師に聞いてもはっきりしません。そのうちに、親指の第一関節が曲がらなくなりました。これでは仕事ができないので、医療ミスではないかと思い相談に来ました。
猫にかまれた場合に、浅くかまれれば消毒で問題はなかったのですが、骨にまで達する場合には簡単な消毒ではすみません。医師がきちんと消毒して治療しなかったために、骨に残っていた菌によって骨髄炎になり、そのため骨が溶けて関節が動かなくなってしまいました。
カルテを取り寄せ、専門書を読み、分析し、動物にかまれた時の対応の専門医を調べ、大阪までも聴きに行きました。
裁判では、病院が責任を認め、損害金を払うことによって解決しました。
依頼人にとっては助かりますが、病院にとっても問題点をはっきりさせて、今後の医療に役立てることができます。

ほとんど安全なことが、ある一瞬に医療事故が起き、医療事件となります。
出産時に時間がかかり、子供が障害を負ってしまった事件
お腹を元気に蹴る双子の我が子が生まれるのを楽しみにして、大事をとって大学病院に入院しました。
ところが、一人目の子は無事に生まれましたが、二人目の子は生まれるのに時間がかかり、そのために障害を負い、寝たきりの状態となってしまいました。障害を負った子どものほうが、お腹の中にいるときは体重もあり元気だったので、納得がいきませんでした。
何が原因で障害を負うことになったのか、医者に聞いてもはっきりしないために弁護士に相談しました。
カルテを取り寄せ、検討、吟味し、裁判をすることになりました。第二子が生まれるまでに時間がかかったことが問題となりました。病院側は、帝王切開の準備をするのに30分以上必要だったということです。他の産婦人科医に分析してもらうと、前もって非常事態に備えて対応をしておかなかったことが問題だということです。ここに到達するまでは専門書に頼り、専門医に頼り、問題点を裁判ではっきりさせてと、その過程は簡単ではありません。
でも、病院側と和解が成立し、障害のある我が子のいく施設も決まり、十分な損害賠償金もでました。障害がなければという思いはありますが、裁判で和解できたことはこれから生きていくうえでの励みになると思われます。
また、病院にとっては大変な問題ですが、二度と起こらないように体制ができるものと思われます。
病院の日常で、ほとんど安全なことが、ある一瞬に医療事故が起き、医療事件となります。





